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【プレスリリース】特定保健指導の成果を「見える化」する新たな評価方法を開発

2024.11.22

プレスリリース

~慶應義塾大学とインサイツが日本公衆衛生学会で発表~

医療保険者加入者向け健康増進サービス及び特定保健指導サービスを提供する株式会社インサイツ(本社:東京都中央区、代表取締役:石川陽介、以下「インサイツ」)は、慶應義塾大学スポーツ医学研究センター(以下「慶應義塾大学」)との共同研究により、第4期特定保健指導における事業成果を「見える化」する新たな評価指標を開発いたしましたのでご報告いたします。尚、この内容は、ICT活用型特定保健指導プログラム(マイナス2・2チャレンジ)の実績データを用いた評価結果とともに、第83回日本公衆衛生学会総会(2024年10月)において発表させていただいておりますので、併せてご報告いたします。

 

■特定保健指導の対象者は、▲2cm・▲2kgだけでは脱出できない方が多数
⇒一括りに「リピーター」扱いすることは改善成果の見落としに

 

近年、複数年連続して特定保健指導の対象になる方(リピーター)の存在が課題視されており、その主な原因は本人の生活習慣改善が進まないこと、及び特定保健指導の成果が不充分であることと言われています。

しかし、判定基準(腹囲85cm以上※またはBMI 25以上)を上回った方の中には、それらの値と判定基準の差が大きく、1~2年での脱出が現実的ではない方(以下「単年度脱出困難者」)も多く含まれているにも関わらず、一括りにリピーター扱いされてしまうため、特定保健指導による腹囲・体重の変化等の改善成果が見落とされている可能性が高い現状があります。 ※女性は90cm以上

そこで慶應義塾大学とインサイツは、特定保健指導の成果を適切に評価するための課題解決策として、新たな評価方法の開発に着手いたしました。

 

 

■特定保健指導によって、階段を1段ずつ下りるように確実に改善に向かっていることが重要
⇒「当年度の特定保健指導によって、どの程度対象外(=脱出)に近づいたのか?」を評価する仕組み

 

特定保健指導から脱出するためには、腹囲または体重の減少を目指す減量が重要になりますが、短期間での急激な減量には危険も伴うこともあり、特定保健指導1回(=ある年度)の腹囲・体重の減少幅の目標は「▲2cm・▲2kg」と定められています。つまり、単年度脱出困難者にとっては、各年度の特定保健指導によって「脱出に向かって▲2cm・▲2kgの階段を1段ずつ下りる」ことが理想と言えます。

このたび慶應義塾大学とインサイツが開発した評価方法は、判定基準までの距離の変化を算出することにより、上記のように「階段のどこにいるのか」「特定保健指導によって1段ずつ下りることができているのか」を明らかにすることができるものとなっています。

 

 

 

■実データを用いた検証
⇒「マイナス2・2チャレンジ(R)
」により階層が0.7下がった(判定基準に近づいた)ことが明らかに

 

この評価方法の実用性を、ICT活用型特定保健指導プログラム(マイナス2・2チャレンジ)の実績データ(N=394、男性のみ)を用いて検証した結果、集団全体及び個々の方の双方において、判定基準に近づいたことが明らかになり、特定保健指導の成果を「見える化」することができることを確認できました。

 

 

 

 

第4期特定保健指導では、その見直しの重要ポイントとして「特定保健指導の見える化の推進」が掲げられており、国が定める「見える化」指標だけではく、保険者による独自の分析も推奨されています。この度開発した評価方法は、特定保健指導の該当/非該当だけでなく、単年度達成困難者も含めた特定保健指導の実質的な成果を「見える化」できる方法としてご活用いただけるものとなっております。詳細は、株式会社インサイツ ヘルスケア事業グループ 営業企画チームまでお問い合わせください。